更年期障害

 

更年期障害とは

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更年期とは、生殖期(性成熟期)と非生殖期(老年期)の間の移行期」を
いい、卵巣機能が衰退しはじめ消失する時期にあたります。
更年期障害とは、卵巣機能の低下によるエストロゲン欠乏、
特にエストラジオールの欠乏に基づく、ホルモンバランスの
崩れにより起こる症候群で、その症状が酷く仕事や家事などの
日常生活に支障が出るほどの状態をいいます。

調査によると更年期世代(46歳~55歳)の女性の8割が
何らかの症状を有しており、そのうちの4割が更年期障害と診断されます。

中医学での更年期障害の捉え方

中医学では、女性のからだは七年ごとに変化すると考えています。
全ての身体の変化は、腎の機能が成熟し、衰弱していく過程で起こると考えています。身体の中では、生まれてくるとすぐに生命活動を維持するための基本物質である「精」や「気」「血」「津液」が充実しはじめます。そして、精神的・肉体的な発育が整う十四歳前後になると、全身を十分に満たしたこれらの基本物質は、あふれるようになります。

「脾・胃」でつくられ肝に蓄えられている血も、このころからあふれはじめます。あふれた血は、気血の通り道(経絡)のひとつである、「衝脈」と「任脈」を流れ、子宮(胞宮)を満たすようになります。

衝脈は全身の経絡を調節し、気血の流れを整えるかなめで、「血海」ともいわれています。子宮につらなる任脈も、衝脈と同じように、月経に深くかかわっています。こうして衝任の脈が充実すると月経が始まり、子どもを産む準備が整っていきます。

最初は気血の量が不十分なので、初潮後しばらくの間は月経周期が不安定です。しかし、衝脈や任脈が気血で十分に満たされるようになると、月経周期は安定するようになります。

やがて四十九歳前後になると、腎の機能がおとろえはじめます。腎のおとろえが一定レベルを超えると、衝脈や任脈を流れる気血の量が減りはじめ、子宮が血で満たされることが徐々になくなってくるので、月経周期や月経期間が乱れたり、経血の量が少なくなり、ついには止まるようになります。

 

症状

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月経不順、眩暈、心悸、心煩、イライラ、怒り易い等を特徴とする。
大きく次の二つのタイプに分かれます。

肝腎陰虚-月経量少、顔面紅潮(のぽせ)、手足心熱(ほてり)寝汗、眩暈、口乾、皮膚乾燥、怒り易い、耳鳴、腰や膝だるい、便秘、舌紅、苔少、脈細数。

脾腎両虚-月経量多、色淡い、顔色に艶がない、精神不振、寒がり、食少、軟便、脱力感舌淡、苔少、脈細

 

鍼灸での効果

●急激に低下した卵巣機能を調整強化する。女性ホルモンをある程度維持する。

●自律神経を調整し、アンバランスから正す、辛い症状を改善する。

●肩こり、腰痛、頭痛、関節痛などの痛みを緩和する。

●不眠症、冷え性を改善する。