症 例 64歳 男性 専門学校学生
初 診 平成25年4月1日
主 訴 不眠、左胸圧迫感、不安感
現病歴 平成24年12月から眠れなくなった。
翌年(平成25年3月)病院にて安定剤、睡眠剤の処方を受ける。寝付きは良いがAM4・5時に目覚め眠れない、左胸圧迫感と不安感が強いため鍼灸治療を始める。
既往歴 胃潰瘍(平成10年頃)
治 療 ユニコディスポ鍼 ステンレス鍼1寸3分2番・棒灸 

 

東洋医学的弁証

脈 診 弦・細・左関尺弱
舌 診 淡白・胖大
弁 証 気血両虚+肝うつ・心脾両虚
治 法 行気活血・補益心脾
選穴 天柱・天髎・膏肓・膈兪・腎兪・委中・百会・太陽・膻中・中脘・関元・内関・足三里・太衝
(治療前半では体が弱っていたため鍼数12本)
H25.5/16 14本(追加穴)脾兪・天枢・神門 (消去穴)中脘・内関
6/1   (追加穴)天突  (消去穴)天枢
7/15   (消去穴)天突
10/7 16本(追加穴)肺兪・心兪・太渓 (消去穴)膏肓
12/9   (追加穴)天突・尺沢・合谷・豊隆 (消去穴)足三里
H26.5/16   (追加穴)大杼・膏肓・復留 (消去穴)肺兪・心兪・太渓
5/23   (追加穴)肺兪・心兪・左膝周り3点・太渓 (消去穴)大杼・膏肓・復留
8/22   (追加穴)足三里  (消去穴)豊隆・左膝周り3点
経過 心療内科にて抗うつ剤処方、眠剤も服用(H25.4/7)
薬で眠れるようになったが、記憶力と力量も無い感じ(H25.4/17)
専門学校休学(H25.5月~)
西洋医学的薬物療法と鍼灸治療により症状の改善が見られるようになり、翌年復学。
学業等によるストレスにより症状の変動は多少あったが、体調も落ち着いており、不安感も少ないことが多くなってきている。
考 察 本症例は、ストレスや悩み・考え事等により血を全身に巡らせる『心』と消化吸収をつかさどり気・血を生成する『脾』の両方が虚弱することで心脾気血両虚による症状と推測した。さらに、気血両虚の継続により肝うつに移行したと考察する。以下、その理由を述べる。

1.心血虚症状として、(主訴より)不眠・左胸圧迫感・不安感
2.脾気虚症状として、(治療経過での訴えより)食欲不振・便秘
3.脈診:弦=肝胆病・痛証・痰飲/細=気血両虚/左関尺弱=腎虚・肝虚
4.舌診:淡白=血虚/脾虚・胖大=気虚

鍼灸治療により、気血の流れも改善傾向にあり徐々に主訴の訴えも弱くなってきているので引き続き治療を続け、今後生活環境も専門学校卒業で変わるので気をつけて健康管理して頂きたい。