◆不妊治療について
Q. 中医鍼灸は不妊症にどのような効果がありますか?
A.中医では不妊症は経絡が詰まって子宮へ気血が供給されないため、栄養などが行かず機能が低下していると考えます。その詰まりの原因を調べ解消していきます。脈診や舌診から患者さんの身体の中の状態を読み取り、使うツボ、治療方針を決めます。
詰まりを解消し気血の流れが良くなると、ホルモンバランスが整い身体の機能も改善し、妊娠しやすい身体を作ることができます。だんだん身体も手足もお腹も温かくなってきますよ。
Q. 中医鍼灸で必ず妊娠しますか?
A. 100%妊娠出来ますと言うことは出来ません。それは不妊症の原因が解明されていないことがまだまだあるからです。
しかし中医学に基づいて鍼灸治療することで、必ず身体にプラスの変化を感じることが出来ます。身体がプラスに変化すると言うことは、少し悩みが解消されますので気持ちもプラスに変化していきます。
中医ではストレスや悩みは『肝』の働きを低下させます。肝は気血を配給する大事な役割があります。肝の働きが改善することで他の身体の働きもだんだん向上し、妊娠しやすい身体に変化していきます。
Q. 不妊症で中医鍼灸を受ける方は多いですか?
A.年々増えている傾向にあります。統計的にもそうですし、私自身もそう感じてます。
鍼灸というと以前は年配の方が受けるイメージですが、近年は若い方特に女性の関心が高まっています。
美顔鍼など美容関係での鍼治療も増え、若い先生方も増えてきたことで、鍼灸への関心が若い方を中心に活性化しています。これは非常に喜ばしいことです。
鍼灸がより皆様の身近になっていることで、不妊症に対する中医鍼灸治療の効果もご理解をいただいき、ご来院される方も増えております。
Q. お灸は跡つかないですか?
A. 当院のお灸は肌に直接触れるのではなく、間接的に温める棒灸を使用いたします。現在の中国でも主体とされ、温めた場所を私の手で気とともに患者さんの身体の奥に浸透させてまいります。
熱くなく温かいお灸ですので、初めての方は驚くかもしれませんね。
気持ちよく身体に染み込むお灸は、全身をスーッとリラックスさせ非常に高い効果を実感していただけると思います。
Q. 不妊鍼灸はどれくらいの頻度で受ければいいですか?
A.初めは連続で治療することをおすすめします。最初の段階は気血の循環が良くなっても元に戻りやすいので、戻る前に治療をします。その後週に一度の治療で気血の循環を維持しますと、だんだんと体質が変わっていくのが実感できることと思います。患者さんの体質によっても異なりますので、しっかりと説明、アドバイスさせていただきます。
普段はウォーキングなど適度な運動を心がけていただくと、さらに身体も元気になりますね。川や公園など水や木からたくさん気をもらいましょう。
食べ物について
Q. 身体を温める食材はなんですか?
A.山椒、唐辛子、胡椒、クルミなど
は、体を強く温める作用があります。体の温める力が弱く冷えが強い方におすすめです。
生姜、くり、エビ、羊肉、鶏肉、からし菜、カボチャなど
も体を温める作用があります。こちらは極めて刺激が強いというわけではないので、冷え性の方はこのような食べ物を取るように心がけると良いでしょう。
Q.体を冷ます食べ物は何ですか?
A.普段から体が熱い方は、
大根、胡瓜、セロリ、ほうれん草など
を普段から食べるように心がけると良いでしょう。
強く体を冷やす時は、
ニガウリ、スイカ、豆腐、レンコン、空芯菜、タケノコなど
が良いでしょう。陽盛で熱証の方におすすめです。
Q.トイレが近いのですが、効果的な食べ物はありますか?
A.頻尿や下痢、咳などが慢性的な方は収斂作用や固縮作用といった引き締める働き、固める働きが弱いと考えられます。そのような方には酸っぱいものがおすすめです。
あんず、ざくろ、酢
といった物は引き締める力、固める力を補ってくれます。
Q.最近ニキビが増えてます。食べ物で改善できますか?
A.ニキビは熱邪や湿邪が原因で現れます。
肌がガサガサ、胃もたれ、食欲不振、便秘などで悩んでいる女性は多いではないでしょうか。そのような方は、
ニガウリやレタスが良いでしょう。湿邪も熱邪も取り除いて、体の中から美容効果があります。
Q.貧血気味なのですが、普段の食べ物で気をつけることはありますか?
A.顔色が蒼白または黄色、手足のひきつり、しびれ、不眠やめまい、便秘、経血量が少ないなどの血量、または血の機能が不足している血虚証の場合、苦いものに注意が必要です。ニガウリなどは食べ過ぎないようにしましょう。
甘いものや酸っぱいものは体質に合う食べ物です。
体を冷やさず熱さず平性の食べ物がおすすめです。
おすすめメニューは木の実と雑穀のお粥です。
◆中医学について
Q1:中医学というのは、何ですか?
A1:中医学(ちゅういがく)とは、現代の中華人民共和国(以下、中国という)において行われる伝統医学の一つです。伝統中国医学とも同じに扱われる場合がありますが、現代の中医学は文化大革命以降、古来のものから新たに作られた医学で、古来のものを踏襲する部分も多いため、中国では自国の伝統医学の総称となっています。主に漢族が実践してきたものです。
診療は、基本的に中医師が行います。ただし、日本においては中医師の資格は使えないため、これを行うのは日本国で有効な医師免許を持つ者、または一部の鍼灸師が行う中医針灸になります。中医師の免許は米国などでは認可されていますが、日本では現在未認可であるため、中医師免許のみでは診療行為を行うことができません。このため中国は中医師資格の認可を日本政府に働きかけています。
Q2:中医学にはどのような種類がありますか?
A2:現代中医学には、中医内科、中医外科、中医婦人科、中医小児科などに細かく分かれます。また、中国の中医師の資格種類は次のとおりに分けられます。
中医師(中医専門)
鍼灸専門の中医師
推拿専門の中医師
Q3:中国で西洋医学との関係はどのようになっていますか?
A3:この他に医師は西洋医がありますが、その中には中医学部を卒業後に西洋医学部に入学、卒業し、西洋医学も中医学もできる「結合医師」がいます。この際に、診察や処方において「西洋医学で行いますか、中医学で行いますか」などと聞かれることがあります。近年、中国国内都市部では両方の免許を保持している医師もいます。
Q4:日本の漢方医学との関係はどのようになっていますか?
A4:日本の漢方医学は伝統中国医学から派生したものではありますが、日本と中国の社会的事情、歴史的経緯、生活習慣、風土などの違いから、漢方医学と中医学は診察方法などが大きく異なります。
例えば、以下のようなものです。
漢方医学・・・中薬(日本の漢方薬)
中医学・・・薬食同源(医食同源)、薬膳
鍼灸(鍼、灸、経絡)
推拿:中国における手技療法、マッサージ。古くは按摩とも。
日本の按摩とは、その形態が異なります。
気功
太極拳
Q5:中医学の今後の発展はどうですか?
A5:西洋医学とは全く見解を異にする研究や論文が今なお多数刊行されており、中医学はさらに発展する可能性をもっています。