リウマチ

 

痺症 (リウマチ)一般

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リウマチは、中医学では「痺症(ひしょう)」と呼ばれている。
痺という文字には「つまって通じない」という意味があり、痛みが生じるのは気血の流れが肌
肉、関節、骨に滞っって体内を行らないため、つまり「不通側痛」と考えます。新陳代謝の低
下、停止により、血分、気分の循環が阻害されると、関節や神経おいて中枢支配が脆弱化し、
また栄養が補給されなくなり、老廃物が留滞します。そして痺症の各症状が生じます。

病因について

血気営衛の虧虚が原因となり、風寒湿熱の諸邪や外傷侵襲によって発症が促進される。

風寒湿痺

素稟虚弱で皮膚が空疏であると外邪が侵入し易い。特に、気血運行が不暢で、
陽虚のものは衛外が固まらず、風寒湿邪が肌肉、骨、経脈まで侵襲する。
その邪が壅滞すると経絡閉阻を生じて、風寒湿痺となる。経絡不通となると痛みを呈す。

風湿熱痺

『金匱翼』では「先ず臓腑経絡に蓄熱があり、その上に風寒湿に遇い、これらの邪が客ヤドる
と熱は寒鬱をなす。気が運行(通行)しないで長引くと、寒はまた熱に変化する。
痺症煽られ悶えるのである」と述べている。
陰虚の体は、相対的に陽気偏盛の状態にあり、臓腑経絡にすでに蓄熱があるので、
これを感受するものはほとんど風湿熱痺となる。

血お痰阻

 経絡気血の運行不暢が慢性化するとお血痰濁が生じる。これが筋骨の深部に侵入して関節
骨に留滞するため、痰おが膠状に凝結して痺阻が増悪し疼痛増悪、
関節の僵硬〔極度の硬さ〕・変形が生じる。

精血虧損

経過が長引き精気が損耗されて精血が不十分になると、肝腎虧損にいたる。

”郁”は”鬱”の略字として中国漢方で使われています。

肝気郁結(かんきうっけつ)ともいいます。
肝気(かんき)というのは、自律神経系の機能を意味して、その気が鬱滞すると
ストレス、緊張、抑うつなどによりイライラ憂鬱、怒り、ヒステリーなどの
精神症状や胸脇部に脹りや重苦しさが起ります。

 

風寒湿熱

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昔の古典を開いて見ると、
「風・寒・湿が入り交じって、体に進入して痺症がおこる」
と記載されています。

最近の中医学では、これに熱を加えて、
風寒湿熱が痺症の主な原因と言われています。

風が強いものを行痺
寒が強いものを痛痺
湿が強いものを着痺
熱が強い物を熱痺

といっています。

行痺の特徴

風は、動き回るのが特徴です。
行痺の特徴は、痛む場所があちこちに移動する事です。
風にあたったりすると、悪化します。
治療としては去風薬を使います。

痛痺の特徴

寒邪が原因で起こるものを痛痺と言います。
名前が示すとおり、激しい痛みが特徴です。
これを「虎にかまれた程の痛み」と表現しています。
寒い冬の日や、冷たい空気に触れ、冷えると悪化します。
寒邪が原因の場合、温経散寒という治療方法を用います。

着痺の特徴

湿の特徴は、一カ所にとどまって、移動にくいのです。
このため、着痺といいます。
痛みは痛痺ほど激しくなく、重だるい感じが特徴です。
湿度の多い雨の日などに悪化します。

熱痺の特徴

熱痺は、局所が腫れ、熱を持つ状態です。
急性のリウマチ、あるいは、慢性のリウマチの活動期などに見られます。
患部を湿布などで冷やすと痛みが和らぎます。

最初に述べたように、リウマチは、これらが入り交じっているのが特徴です。
どの要素が強いか判断して薬を選んでいきます。

風・寒・湿・熱などの邪気が、体を攻撃する背景としては、
体を守っている正気の不足が考えられます。
体を守る正気は、衛気とも言われています。
臓腑で考えると、腎、肺、脾との関係が深いようです。

腎が弱っている腎虚
肺が弱っている肺気虚
脾が弱っている脾気虚

これらの状態の時に、外邪が攻め込んで、痺症がおこります。
ですから、体質改善として、腎、肺、脾の気を補う事が大切です。

本場中国の鍼灸は、
何千年にわたる病気との戦いの歴史です。